祭の夜

 今でも白装束の若者達は薄着ですからとても寒そうですが、「今年はいいのよ。雨雪のこともあるんだから。それにずーっと走っているからまわりから見るほど寒くはないの。ただ、走る距離は結構あるから、息子がやったとき、運動をしていたにもかかわらず、翌日足がパンパンにはっていたよ。」とお母さん方が話してくれました。今年は暖かくて良いと、門口でお払いの順番を待つお年寄りの皆さんも言っていらっしゃいました。

 こうして夜は九時過ぎまでかかって各家を周り、最後にまた集まって宴会をするそうです。昔から集まった祝儀で若者たちはみんなで食べて飲んで、とやったもんだ、と懐かしそうに話してくれます。今では中高生にもお年玉の2倍くらいのお礼が出るそうです。

 剣の祭よりももっと寒い時期の、正月の三山参りでの似たような話も聞きました。昔は兵隊検査の前の21歳くらいの若者が裸で走って回り、終わると大久保の風呂屋で、水のようにぬるい風呂から徐々に温度を上げて暖まったそうです。沿道にかがり火を焚いて、村の娘の声援を受けて裸で三山まで走るのは若者の晴れ舞台であったようです。剣の祭でも、回る若者達は誇らしげな顔をしていました。

集合 ねり 祈願祭 辻切り 宿 祭の夜 いわれ 参考文献

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